うつ症状、不安障害（パニック症等）

動悸や発汗、頭痛、倦怠感などへの症状へは、自律神経バランスの整える全体的な治療を行い、それに伴った全身の部分的なこわばりやコリへも鍼や指圧、マッサージを施していきます。

また東洋医学的な見方では、人の感情の過度な強弱や変動はやがて陰陽のバランス（気、血、臓腑などの働き）を乱し病の原因になりうる「七情内因」という考え方があります。無気力も七情の一部で感情の抑圧から生まれます。このような見方から、身体全体で起きている過不足を整える治療も取り入れて、心の部分の安定も図っていきます。

鍼灸、マッサージの刺激は、脳内から不安や不快感をを鎮静させる物質を分泌させて、心を穏やかにする作用を持っています。

心と身体の回復は相互に連動し合って進んでいきます。これが続くにつれて、物事への受け止め方や捉え方が変わったり、ストレスへの耐久がついてきたりと変化が見られるようになります。（個人差があります）

自律神経失調症のケースと同様に、初回問診ではご本人の症状を詳しく理解するために、十分に時間を取ってヒアリングを行います。これは今後の施術を決めるのにとても大切になってきます。併せて、それ以降の施術の中においても、鍼、お灸、マッサージをしながらカウンセリングも行っていきます。

他者に対して自分自身を話す行為は、東洋医学での「気の滞りをスムーズに流す」作用に大きく関わってきます。また自分自身や状況を客観的または大局的に観ることができる場合もあり、それが改善のきっかけになったり、心の成長や治癒へつながっていくこともも多くあります。

しかしながら、抵抗のある方に無理にカウンセリングやコミュニケーションを強いるということは致しません。症状や心の状態はそれぞれ違い治癒への過程も様々です。ご負担なく施術を受けていただけるように、その都度、配慮、確認しながら治療を進めます。

我々鍼灸師やあん摩マッサージ師は、医療従事者としての守秘義務を持っております。

いずれの方法にしても、ご本人様と信頼関係を築きながら施術に携わっていきたいと考えます。

うつやパニック症、その他のメンタルに関わる症状の原因として、ストレスが大きな引き金になると前に述べました。他にも、日頃の生活習慣や飲食の偏りなども、症状を長引かせたり、再発しやすくさせたりの原因になっています。

例えば、「脳腸相関」という言葉がよく聞かれるようになりました。腸内も自律神経を介して脳と密接につながっています。最近の研究では腸内を善玉菌優位にすることでうつ病の発症リスクが下がることが判っています。また、脳から分泌される心の安定に関わる物質も、多くが小腸で生成されるといわれています。

さらにご存じのとおり、腸は身体全体の免疫力を司り、免疫細胞の約７割はここに集結して腸内細菌と協力しながらその働きを高めています。

このような利点を症状の改善や治癒へ生かしていくために、食事や栄養、生活習慣などのアドバイスもさせていただいております。